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内科

病気のサイン

かわいいワンちゃん、ネコちゃんのことを一番知っているのは飼い主様です。
言葉で伝えることができない動物たちにとって、「飼い主様の気付き」はとても重要です。
実際に当院へいらっしゃる飼い主様の中には、獣医師では気付かないほどわずかな変化を見つけて、ご来院いただいた結果、隠れた病気を、早く発見できることも珍しくありません。早期の段階で発見し、治療をおこなえば症状を出さずに、長く健康に過ごせる場合があります。下記のような症状に気付いたら、病気のサインかもしれません。早めにご来院ください。

  • 水を飲む量が増えてきた
    胃腸炎/腎不全/肝不全/膵炎/消化管閉塞(異物摂取・腸重積etc)/
    毒物の摂食/子宮蓄膿症/腫瘍性疾患
  • 尿量が増加した
  • 何度か嘔吐した
  • 下痢になった
    腸炎(小腸炎・大腸炎・出血性腸炎・好酸球性腸炎・リンパ球プラズマ細胞性腸炎)/
    食餌(異物摂食・アレルギー・毒物摂食)/腸内細菌のバランス異常/
    寄生虫(線虫類・条虫類・原虫類)/ウィルス性(パルボ・コロナ・ジステンパー)/
    消化管閉塞(異物摂取・腸重積etc)/急性膵炎/腫瘍(リンパ腫・消化管腫瘍etc)/
    消化管ポリープ
  • 体重が減少した
  • 食欲がなくおとなしい
  • 食べる量が減っている
    食餌摂取不足(量・栄養)/各種疾患による食欲不振/口腔内疾患による採食困難/
    腎不全/糖尿病/甲状腺機能亢進症/膵外分泌不全/リンパ管拡張症/
    炎症性腸疾患/悪性腫瘍/消化管内寄生虫/蛋白喪失製腸症
  • 咳が出る
    気道内の炎症(喉頭炎・扁桃炎・気管支炎・肺炎etc)/アレルギー性気管支炎/
    気道腫瘍/心疾患(僧帽弁閉鎖不全症・フィラリア症etc)/肺水腫/気管虚脱/肺塞栓症

各症状から考えられる病気について、詳しくはこちらをご覧ください。

血液検査の目安

当院で血液検査を行った場合、飼い主様に各検査項目と数値についてわかりやすくご説明しています。こうしたデータはいろいろな目安になるもの。正常値の目安との比較をされたい方は、下記をご覧ください。

糖尿病に注意しましょう

糖尿病に注意しましょう 人の医療で成人病の代表とされている糖尿病。ワンちゃんやネコちゃんも高齢化が進むにつれ、糖尿病疾患が多くなっています。

水をたくさん飲む(尿量が増えた)、食欲があるのに体重が減少しているなどに気付いたら、糖尿病の可能性があります。症状が進むと重度の脱水状態を引き起こしたり、昏睡に至ったりといった可能性もあります。
これにはペットを取り巻く環境やフードの改善、肥満やストレスの影響などが関係しているためと考えられます。
ここでは糖尿病について、病態や治療をご紹介させていただきます。

糖尿病とは

体内で血糖値を下げる働きをするインスリンが作用しなくなることによって引き起こされる病気です。
血液中に溢れた糖分は尿中にも漏れ出てきます。
血糖値が上昇することによって、血液の浸透圧が上昇しノドが渇くため飲水量が増加し尿量が増えます。
また病態が進行すると、重度の脱水や糖尿病性ケトアシドーシスにより昏睡が引き起こされます。
上記のような多飲多尿や食欲は旺盛なのに最近急に体重が減ってきた・・・など、そのような症状が見られたら要注意です

犬の糖尿病

人と同じく1型糖尿病がほとんどです。
これは、何らかの原因によりインスリンを分泌する膵臓の細胞が破壊されて、インスリン自体が分泌されなくなってしまう病態です。
このため罹患すると、終生のインスリン投与が必要となります。
原因には自己免疫異常やステロイドホルモンの過剰分泌(クッシング症候群)、発情による女性ホルモンの影響などがあります。
インスリン投与は必須となりますが、上記クッシング症候群の治療や避妊手術を行うことによって、インスリンの投与量を減弱させられる場合があります。

猫の糖尿病

猫の場合は2型糖尿病が多く
これは、インスリン自体は体内で分泌されていますが、インスリンに抵抗性ができてしまい、血糖値が上昇する病態です。
原因としては、猫は非常にストレスに敏感な動物であり、緊張状態によるアドレナリンやステロイドホルモンの分泌、または肥満の影響などが関係しています。
このため、上記の原因を除外しインスリン治療を行うことによって抵抗性がなくなれば、治癒する場合も稀にあります。

糖尿病性ケトアシドーシス

高血糖状態が続くとケトアシドーシスという病態へ進行します。
インスリンには血中に存在する糖分を細胞内へ移動させるという働きがあります。
糖尿病の状態はその作用がなくなっている状態であるため、血中には豊富に存在する糖が細胞内では枯渇してしまいます。
細胞は糖からエネルギーを産生し利用しているため、これがなくなると違う経路から栄養を取ろうとし始めます。
それが、脂肪の代謝ですが、脂肪からエネルギーを産生するとケトン体という物質が同時に蓄積されていきます。
これがケトアシドーシスという病態で、ケトン体は体に有害な物質であり、食欲不振などを引き起こし重度の場合は昏睡に至ります。

治療

糖尿病の治療の基本はインスリンの投与です。
インスリン製剤を注射によって投与し、体内で作用しなくなったインスリンの補填をします。
また、肥満やストレス、クッシング症候群などの潜在的な原因を取り除くことも重要です。

インスリン投与量の決定

まず一日に必要な食餌量を算定します。
算定した食餌量を与え、それによって上昇する血糖値に合わせた量のインスリンを投与します。
維持治療で使用するインスリンは長時間作用型であり、大体6~12時間作用します。
しかしながら、インスリンの効果や作用時間は個体差があり、また食べた食餌の吸収や血糖値の上がり方も様々です。
そのため、食餌を与えインスリンを投与したあと、数時間おきに血糖値を測定し、一日の血糖値の変動を表した血糖値曲線を作成します。
それに基づき、インスリン量を調節しながら最終的な維持量を決定します。
上記治療のためには数日間の入院治療が必要ですが、性格によっては入院環境では食餌を我慢してしまう子や、返って緊張が増してしまうような子では、入院ではなく通院で治療する場合もあります。

インスリン投与量
ケトアシドーシスの治療

ケトアシドーシスの状態にある場合は、長時間型インスリンによる維持治療を開始する前にケトン体を除去する治療を行います。
それには強化インスリン治療を用います。
短時間作用型インスリンと糖液を同時に持続点滴で体内に入れることにより、糖分の細胞内への流入を強制的に促します。